12月18日(金)午後二時より、天神くらいねギター教室におきまして毎月恒例の「ティータイムコンサートNo.16」を開催いたします。
今回のテーマは、今年生誕250年のベートーベンです。年末になると全国各地で「第九」が演奏されますが、さて今年はどうなるんでしょう。
「第九」と言えば、古今東西の大巨匠たちの渾身の演奏が録音や映像で残されていますが、去年だったかな?N響を指揮された女性の方の「第九」が、今までに聴いたことがないくらい優しさやら慈愛に満ちた演奏で、こんな解釈もあるんだ!と目からウロコでした。
さて、コンサートのプログラムはよく知られた小品の数々ですが、各時代を代表する名ギタリストたちのアレンジで演奏いたします。
本当はシューベルトの曲じゃないか?ともいわれる「別れのワルツ」は、ソル没後タレガが登場するまでの間フランスで活躍したナポレオン・コストのアレンジです。
超有名曲であるピアノ・ソナタ「悲愴」からの第二楽章は、そのフランシスコ・タレガのアレンジです。タレガは音楽学校でピアノも学んでおり、ショパンやアルベニスのピアノ曲やバッハの作品・オーケストラ作品(ワーグナーも!)アレンジして、ギターのレパートリーの拡大に努めました。
もう一つ超有名曲ですが、ピアノ・ソナタ「月光」の第一楽章は、セゴビアのライバルともいわれた南米のギタリスト、アグスティン・バリオスのアレンジです。バリオスは自らたくさんのギター曲を作っていますが、ベートーベンのアレンジはこの曲だけかな、と思います。バリオスはこのアレンジに、「小さなミロンガ」という副題をつけています。
そのバリオスのライバル?であったアンドレス・セゴビアのアレンジはヴァイオリン演奏で有名な「メヌエット」です。セゴビアはタレガの衣鉢を継いでルネサンス・バロック・古典・ロマン・民族楽派など、数多くのアレンジを残しています。また、同時代の作曲家たちにギター作品の作曲を依頼し、多くは今も重要なレパートリーになっています。この「メヌエット」は、中学時代に僕が買った初めてのLPレコードに入っていました。ミッシャ・エルマンの演奏でした。他に「チゴイネルワイゼン」や「タイスの瞑想曲」、クライスラーの曲が入っていました。
ソロでもう一曲、最も有名な曲ですが「エリーゼのために」を、先年亡くなられた佐藤弘和さんのアレンジで演奏いたします。他の巨匠たちのアレンジとは違い、無理のない音域・技術でこの曲のやわらかな世界を表現しています。
橋口さんとの二重奏もベートーベンの曲で、こちらはブラジルのギタリストであるトゥリビオ・サントスのアレンジによるマンドリン作品で、「主題と変奏・ニ長調」と「ソナチネ・ホ長調」です。作品番号のない、ベートーベンが20歳過ぎくらいの作品だそうです。もとはマンドリンと鍵盤楽器のための曲です。ソナチネは原曲ではハ長調ですが、ホ長調に移調されています。
橋口さんとの二重奏では、夏からのドビュッシーの「小組曲」連続演奏のいちおう最終回で、第三楽章「メヌエット」第四楽章「バレエ」を演奏いたします。
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